オーストラリアで大学やTAFEなどを卒業した後、**現地に引き続き滞在・就労できるビザが「卒業生ビザ(Temporary Graduate Visa 485)」**です。
就労経験を積んで永住権を目指す、現地企業に就職する、日本に帰国する前に実務経験を得たい──そんな人にとって、卒業生ビザは非常に重要なステップになります。
この記事では、卒業生ビザの種類・申請条件・滞在期間・就労や就学の可否・注意点まで、2025年時点の最新情報をもとに詳しく解説します。
卒業生ビザ(485)とは?概要と2つのストリーム
オーストラリアの卒業生ビザ(Subclass 485)は、特定の学校を卒業した留学生に対し、一定期間の滞在と就労を認めるビザです。
ストリーム(種類)は以下の2つに分かれます。
1. Graduate Work Stream(技術系短期滞在向け)
- 永住権リスト(MLTSSL)にある職業に関連する学位・資格を取得した人向け
- 主にTAFE卒業生や専門職向け
- 滞在期間:18か月(※2025年時点)
2. Post-Study Work Stream(高等教育卒業向け)
- オーストラリアの大学・大学院を卒業した人向け
- 職業リストとの関連は問われない
- 滞在期間:2〜4年(学位レベルにより異なる)
👉 各ストリームの選び方・職業リストとの関係はこちら:
卒業生ビザを活用して永住権を目指すには?
卒業生ビザの申請条件(2025年時点)
以下は、両ストリームに共通する主な条件です。
項目 | 条件内容 |
---|---|
年齢 | 50歳未満であること |
在学要件 | CRICOS登録されたコースを少なくとも2学年間(92週)以上就学していること |
学位要件 | 各ストリームに応じた資格(TAFE・学士・修士など)を取得していること |
英語力証明 | IELTS 6.0以上(全セクション5.0以上)または同等の試験スコア |
健康保険 | 滞在中、OSHCまたはOVHCに加入していること |
ビザステータス | 学生ビザでの滞在中、または卒業後6か月以内に申請すること |
卒業生ビザでできること・制限されること
卒業生ビザで「できること」
- フルタイムでの就労(職種・時間の制限なし)
- 任意の学校・コースへの就学(制限なし)
- 配偶者や子どもなど家族の帯同(扶養家族も就労・就学可能)
卒業生ビザで「できないこと」
- 滞在延長や永住権取得は別の手続きを要する
- 雇用主や業種によっては、卒業生ビザ単体では就労ビザへの切替が難しいケースも
👉 関連記事:
卒業生ビザでできること・できないこと
滞在期間はどれくらい?学位レベルによる違い
卒業資格 | 滞在期間(Post-Study Work Stream) |
---|---|
学士(Bachelor) | 2年間 |
修士(Master) | 3年間 |
博士(PhD) | 4年間 |
指定地域大学卒業者 | +最大1〜2年の追加滞在が可能(地域加算制度) |
※Graduate Work Streamは原則18か月(※コロナ措置終了後)
申請の流れ・必要書類の概要
申請の流れ(簡易ステップ)
- 学業修了後、6か月以内にビザ申請を開始
- 英語スコアや健康診断、無犯罪証明などを準備
- ImmiAccountからオンラインで申請
- 通常2〜4か月程度でビザ発給(混雑状況による)
👉 詳細な申請手順はこちら:
TAFE・大学卒業後に卒業生ビザを申請する手順
卒業生ビザを活かすキャリア設計とは?
卒業生ビザは「終わりのビザ」ではなく、「次のステップを見据えるビザ」です。
- 現地就職→雇用主スポンサー(TSS)ビザへ
- 州推薦(State Nomination)で永住権申請へ
- 職業スキル査定に備えた就労実績づくり
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まとめ|卒業後もオーストラリアにいたいなら、卒業生ビザは最初の一歩
卒業生ビザは、オーストラリアでのキャリア形成や永住権獲得に向けた重要な“猶予期間”です。
就労・進学・起業・パートナー同行など、活用方法は多岐にわたります。
迷っている方はまず、自分の学歴・職種・今後の目標に合わせて、戦略的なビザ設計を行うことが大切です。
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