「留学から永住」──カナダでは現実的なルートです
カナダは世界的に見ても、留学から移民への道筋が明確な国として知られています。
語学学校→カレッジ→就労→永住権というステップをIRCC(移民局)が制度設計で支援しており、実際に多くの日本人留学生が永住を実現しています。
本記事では、以下のステップに沿ってカナダ永住への道をわかりやすく解説します。
- ステップ① 留学(学歴・進路戦略)
- ステップ② 就労(PGWPを活用)
- ステップ③ 移民申請(EE・PNP等)
- よくあるモデルケース
- 注意点と成功のポイント
カナダはなぜ「永住しやすい国」なのか?
✅ 政策的に「移民受け入れ」に積極的
- カナダ政府は毎年40万人以上の移民を受け入れる目標を掲げており、経済・地方活性化を目的に留学生→移民ルートを支援
- 英語圏の他国(例:アメリカ・イギリス)と比べても、就学後の移住制度が整備されている
✅ 留学生向けの制度が充実している
制度名 | 内容 |
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Post-Graduation Work Permit(PGWP) | 卒業後に最大3年間のオープンワークビザが得られる制度 |
PNP(州推薦) | 多くの州が留学生・カナダ就労経験者を対象とする移民枠を設けている |
Co-opプログラム | 在学中に現地でインターン経験を積み、雇用主とコネクションを作れる制度 |
ステップ① 留学|将来の永住を見据えた学校・プログラム選び
✅ 語学留学だけでは「永住の対象外」
- 語学学校のみの留学では、PGWP(卒業後の就労ビザ)が発給されない
- 永住を視野に入れるなら、DLI指定校かつPGWP対象校での就学が必須
✅ カレッジ・大学・専門プログラムが基本ルート
学校タイプ | 永住につながる可能性 |
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語学学校(ESL) | ❌ なし(PGWP対象外) |
公立カレッジ | ✅ 高い(PGWP対象・実践的職種が多い) |
大学・大学院 | ✅ 非常に高い(CRSで学歴・英語加点) |
私立カレッジ | △ 一部例外あり(PGWP対象外も多い) |
✅ 職種・専攻は「カナダでの需要」で決める
- 州や地方によって移民優遇職種が異なる
- IT、介護、建設、教育、看護、トレード(溶接・電気系など)は永住ルートが明確な分野
ステップ② 就労|PGWPを活用して現地で実務経験を積む
✅ PGWPとは?
項目 | 内容 |
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正式名称 | Post-Graduation Work Permit(卒業後就労ビザ) |
対象 | DLI指定校で8か月以上のプログラムを修了した留学生 |
有効期間 | 最大3年間(就学期間と同等かそれ以下) |
雇用主の指定 | なし(オープンワークビザ) |
このPGWP期間中にカナダ国内で職歴を積むことで、永住申請で有利になります。
✅ 雇用先の選び方と注意点
- カナダ就労経験がExpress EntryのCRSスコア加点項目に含まれる
- NOCレベル(職種コード)によって加点対象外の仕事もあるため、職種のNOC分類を事前確認
ステップ③ 移民申請|主な永住権プログラムと戦略
✅ 主要な移民プログラムの比較
プログラム名 | 特徴 |
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Express Entry(EE) | CRS(ポイント制)による選抜。学歴・職歴・英語力などで加点。PGWP経験が加点対象。 |
Provincial Nominee Program(PNP) | 各州が独自に推薦する移民制度。州によっては留学生専用のカテゴリーあり。 |
AIP・RNIPなどの地域限定移民 | 地方都市に特化。雇用主の推薦や、一定期間の定住が必要。 |
✅ Express Entryで高スコアを得るポイント
- カナダ国内での職歴(特にNOC TEER 0, 1, 2, 3の職種)
- IELTSのCLB 7以上(英語力加点が大きい)
- PGWP期間中のフルタイム勤務で1年以上の経験を得る
- 年齢が若いほど有利(29歳までが高加点)
✅ PNPを活用するなら?
- BC州、アルバータ州、マニトバ州などが国際留学生専用のカテゴリを展開
- 雇用主との連携や特定職種での就労が条件
- Express Entryとの併用(EE経由PNP)で永住までの近道になることも
留学→永住までの成功パターン事例
例①:IT留学 → 就労 → EEで永住
- 日本での理系学部卒 → バンクーバーでITコース → 現地IT企業でフルタイム勤務
- CRS高得点+PNP併用で1年半でPR取得
例②:看護系専門学校 → 地方就職 → AIPで永住
- モントリオールで看護アシスタントコース修了 → 地方都市で定職 → 地域推薦を活用して永住申請
まとめ|カナダ留学は「永住まで見据える」ことで価値が高まる
- 語学だけで終わらず、就労・移民戦略とセットで考えることが成功のカギ
- PGWP、PNP、EEなど制度を正しく理解すれば、無理なく合法的に永住が可能
- 将来を見据えたプランニングには、エージェントや移民コンサルタントとの連携も活用しよう
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