オーストラリアで大学やTAFEを卒業した後に申請できる卒業生ビザ(Temporary Graduate Visa 485)。
申請条件や有効期間はよく知られていますが、実際に何ができて、何が制限されるのかがあいまいなまま申請してしまう方も少なくありません。
この記事では、卒業生ビザの保持者がオーストラリア滞在中にできること・できないことを、就労・就学・扶養家族の観点からわかりやすく整理して解説します。
卒業生ビザの基本的な特徴
まずは卒業生ビザ(Subclass 485)の概要を簡単におさらいしておきます。
項目 | 内容 |
---|---|
対象 | オーストラリアで指定の資格を取得した留学生 |
滞在期間 | 通常18か月〜4年間(学位レベルや地域により変動) |
就労 | フルタイム就労が可能(職種・業種の制限なし) |
就学 | コース選択・時間数に制限なし |
家族帯同 | 扶養家族(パートナー・子ども)同伴可能 |
👉 詳細な申請条件についてはこちらの記事で解説:
【2025年版】卒業生ビザ(485)完全ガイド
卒業生ビザで「できること」
1. フルタイムでの就労(時間・職種の制限なし)
卒業生ビザ保持者は、週40時間以上のフルタイム就労が可能です。
学生ビザとは異なり、アルバイト制限や業種指定は一切ありません。
- カフェ、IT企業、看護、介護、教育、観光業など職種を問わず勤務可能
- 複数の仕事を掛け持ちすることもOK
- 就労実績を積むことで永住権申請にもつながる可能性あり
2. 好きな学校・コースに自由に通える
卒業生ビザでは、就学に関する制限もありません。語学学校、専門学校、短期コースなど、自身のキャリアや興味に応じて自由に学ぶことができます。
- IELTSなどの英語試験対策
- 資格取得講座
- 起業・経営スキル系の講座 など
3. 配偶者や子どもを帯同できる(扶養家族ビザ)
卒業生ビザでは、扶養家族(Dependant)を含めた申請が可能です。
- パートナー(事実婚含む)にもフルタイム就労権が与えられる
- 子どもには就学権利が与えられ、公立校での教育も受けられる
- 家族でのオーストラリア滞在が現実的に可能になる
卒業生ビザで「できないこと」
1. 永住権を自動的に取得できるわけではない
卒業生ビザ自体は一時的なビザ(Temporary)であり、永住権(PR)への自動ステップではありません。
ただし、この期間中に就労実績やスキル査定を積むことで永住申請の土台を作ることが可能です。
👉 永住につなげるには?:
卒業生ビザから永住権を目指すには?
2. 滞在延長には他ビザへの切り替えが必要
卒業生ビザの滞在期間が終了した後は、別のビザ(就労ビザ、学生ビザ、パートナービザなど)への切り替えが必要です。
延長申請そのものは存在しません。
3. 雇用主のスポンサーを得られるとは限らない
現地就職を目指す場合、すべての企業が卒業生ビザ保持者をフルタイム採用するとは限りません。
特に、将来的に雇用主スポンサー(TSSビザ)やPR申請を希望する場合は、企業選びが非常に重要になります。
まとめ|卒業生ビザは「自由度が高いが、計画性が問われる」ビザ
卒業生ビザは、就労・就学・家族帯同の自由度が非常に高く、オーストラリアに滞在しながら将来を考える上での貴重な猶予期間です。
一方で、ビザ終了後のステップやキャリア設計を見据えずに過ごしてしまうと、「何も得られず帰国」というリスクも。
まずは「この期間中に何を達成したいか」を明確にし、永住・進学・現地就職など目的に沿った選択をしていきましょう。
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