はじめに|英語力は永住権申請の“必須条件”
オーストラリアで永住権(Permanent Residency/PR)を申請する上で、英語力の証明は避けて通れない重要要素です。
申請時には「英語試験のスコア提出」が必要で、スコア次第で申請の可否だけでなく、ポイント制度における加点にも大きな影響を与えます。
この記事では、代表的な試験であるIELTS、TOEFL iBT、PTE Academicなどのスコア基準を中心に、ビザごとの最低要件と加点条件、注意点をわかりやすく解説します。
なぜ英語力が重要なのか?
- すべてのスキルドビザ(189/190/491など)で最低限の英語力証明が必須
- IELTSスコアに応じて最大20点のポイント加算が可能
- 一部の職業評価(スキルアセスメント)でも、特定の英語スコア提出が条件
つまり、英語力は単なる“言語の能力”ではなく、「ビザ取得を左右する審査要素」なのです。
技術系永住ビザに必要な英語スコアの基準
ビザの種類や目的に応じて、求められる英語力の基準は異なりますが、基本的には以下のレベルで区分されます。
英語レベル | IELTS換算 | TOEFL iBT | PTE Academic | ポイント加点 |
---|---|---|---|---|
Competent English | 各6.0以上 | 64 | 50 | 0点(申請条件) |
Proficient English | 各7.0以上 | 94 | 65 | +10点 |
Superior English | 各8.0以上 | 110 | 79 | +20点 |
※加点はポイント制ビザ(Subclass 189, 190など)に適用されます。
※すべての試験でSpeaking・Reading・Writing・Listeningの全セクションで基準を満たす必要があります。
ビザ申請に使用できる英語試験一覧(有効期間付き)
オーストラリア移民局が認めている主な英語試験は以下の通りです(有効期限は試験日から3年間)。
試験名 | 使用可否 | 備考 |
---|---|---|
IELTS Academic / General | ○ | 最も一般的。General TrainingでOK。 |
TOEFL iBT | ○(一時停止中の時期あり) | 最新情報に注意。MyBestスコアは不可。 |
PTE Academic | ○ | オンライン試験は不可。 |
Cambridge C1 Advanced | ○ | 一部職種評価でも使用可。 |
OET(医療系のみ) | ○ | 看護師・医師など医療職限定。 |
よくある注意点・誤解
✅ MyBestスコアは使用不可
TOEFL iBTの「MyBestスコア」はオーストラリア移民局では無効です。1回の受験で全セクションが条件を満たす必要があります。
✅ 英語力は“加点”にも“足切り”にも影響
Competent(6.0)がなければ申請不可ですが、Proficient(7.0)以上があるとポイント加算で申請成功率が一気に高まります。
✅ 職業によって求められる基準が異なる
例)看護師・教員などの職種では、スキルアセスメントの時点でIELTS 7.0〜8.0が必要になるケースも。
英語力アップのための現実的な対策
- TAFEや大学付属の語学学校でアカデミック英語を体系的に学ぶ
- 留学エージェントを通じてIELTS/PTE対策コース付きの進学プランを検討
- オーストラリア現地での生活や就労も実践的な英語力向上の近道
まとめ|永住権を目指すなら、まずは英語力の底上げを
オーストラリア永住権の取得では、英語力は「努力でコントロールできる最大のポイント源」です。
年齢や職歴といった他の条件に自信がない方でも、英語で満点を取れば最大20点の加点が可能となり、申請成功率が格段に上がります。
まずは現在の英語力を正しく測定し、必要スコアに到達するための具体的な計画を立てましょう。
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